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ザ・スーパー・ポップ宣言

私の好きな甘茶6

私の好きな甘茶ソウル(6)
MY FAVORITE SWEET SOUL (6)


スウィート・ソウル・ベスト10 集計一覧

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湯村輝彦 GANGSTA LUV

山下達郎 サンデー・ソングブック

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甘茶ソウル入門の部屋

U.S.BDG 究極のLPコレクション - グループ編(1) (2) (3)

マニアック甘茶ソウル@YOU TUBE


【 甘茶偏差値 66

ANNETTE SNELL / IT'S ALL OVER NOW (EPIC 50464)'77

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最初から最後までどこもかしこも良く出来たメロディの甘めのレディソウル。本来そのディープな唱法及びマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオ産ということで、所謂サザンソウルとかディープソウルとかに仕分けされるべき曲です。ただし、イントロと後半で聴けるインスト・パートが胸をググッと締め付ける格別の甘さ。南部を感じさせる温かみのあるイントロの管の音、格調の高さを感じさせながらも郷愁をいざなう後半間奏部分の弦の音。その両者の存在感は実に大きく、私に甘茶を感じさせるのです。

「YOU TUBE」で聴けます。

BARBARA MASON / PLAYING WITH MY FEELINGS LP(WMOT 37060)'80



フューチャーズとの「We Got Each Other」など良質な甘茶ソウルを残しているバーバラ・メイスンの80年のアルバム「A PIECE OF MYLIFE」収録曲。このアルバムのプロデュースはBUTCH INGRAMという人で、調べると「U.S.BDG 究極のLPコレクション - グループ編」の「GALAXXY FEATURING RON AIKENS (POP ART 8784)'82」のプロデューサーでもある。このアルバムはBARBARA MASONも参加しているなど何故か結構製作陣がかぶってます。

曲は大人向けの甘い雰囲気の漂うスウィートソウル。単に甘いというだけではなく酸いも甘いも知り尽くしたビタースウィートという感じでしょうか。バーバラの独特なねちっこい歌い回しもいいけど、ちょっと暗めの曲調と品の良いストリングス、甘くアダルトな雰囲気を醸し出すコーラス、それと何よりメロディがいいですね。甘茶ソウルとして分かり易さや派手さも無い曲だからか、個人的に若い頃この曲を聴いた時はいまいちピンと来なかったんだけど先日たまたま聴いたらビリリと来ましたね。甘茶も年を重ねてこそ良さが分かる曲というものも存在するなと感じる今日この頃です。

「YOU TUBE」で聴けます。

BILLY GRIFFIN / BELIEVE IT OR NOT 12"(ATLANTIC 962)'86

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甘茶ソウル百科事典P.73掲載曲。ビリー・グリフィンはMIRACLESの元リード・シンガーだったらしいですね。この曲はその後ソロになってからの86年のシングル曲。ミディアム・テンポの大人のムード漂うモダン・スウィート。所謂甘いファルセットではないけれど、渋みのあるテナーにファルセットを交えて攻めるセクシーな唱法&歌声が魅力的です。洗練されたアレンジに憂いを帯びたメロディ・ラインも洒落ていて、スウィートながら疾走感も感じさせますね。深夜に一人高速道路をドライブする時なんかのBGMに似合いそう。車窓の外を次々と流れていくナトリウム灯の無機質で冷たい輝きってイメージ。「YOU TUBE」で聴けます。

DAVIE D. / HERE FOR YOU 12"(BLACK FOREST 71763)'90

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90年製のいわゆるラブ・ラップ。基本はファルセット・リードですが、そこに甘いラップが重なっていくスタイル。冒頭で遠くに電話の呼び出し音が静かに鳴り響く、柔らかで淡白な音風景が夢見心地で素晴らしい。全体に静かでゆったりとした曲調なんだけど、しっかりと甘く美しいバックサウンド。ファルセットの70年代的に過剰に甘い歌回しとメロディの美しさも秀逸ながら、あくまで優しくソフトに語りかけてくるラップも粘着質で聴き応えあり。その二つの歌声のコンビネーションには官能的な美しさを感じます。愛の営みのお供にも最適な「やれる」ラブラップということでオススメです。因みに湯村輝彦氏推し曲でもあるので、甘百TERRY'S SELLECTお好きな方は是非聴いてみて下さい。私はこういう甘いラブラップを他に全然知らない(LL COOL Jぐらい)ので、お薦め曲を教えて下さい。
good guys don't always winのアドヒスタさんがこちらでレビューされてます。

DYNAMICS / VOYAGE THRU THE MIND LP(BLACK GOLD 5001)'73

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「癖の無い爽やかな甘さ DYNAMICS / WHAT A SHAME」として紹介済みのダイナミクスのセカンド・アルバム収録曲。「心の航海」ってな感じのこの曲もやはり癖の無い爽やかな甘さが魅力的。他の曲と比べて、よりスマートで洗練された曲調ですね。タイトル通りスケールの大きさを感じさせ、聴いた後で心が広くなり視界も大きく開けたような気分にさせてくれます。

因みにこのアルバムは全曲、プロデュースは多くの甘茶ソウルを手掛けているPAUL RISERで、作曲はRONNIE SHANNONという人。調べてみるとこのロニーにはアレサ・フランクリンのヒット曲を作った経歴があるようですが、一枚のアルバムにこれだけ多くの良曲を作り上げるとは実に素晴らしい才能の持ち主ですね。因みに日本盤ライナーによると格好良いモダンダンサー「Ronnie LaShannon / Where has our love gone」は彼の改名盤だろうとのこと。もっともっとこの時期の彼の作品を聴いてみたいものですね。

EBONYS / YOU'RE THE REASON WHY (PHILADELPHIA INTERNATIONAL 3503)'71

Ebonys You're The Reason Why ep.JPG Ebonys You're The Reason Why.jpg

甘茶ソウル百科事典p.19掲載曲。PRODUCEはGAMBLE-HUFF、ARRANGEはTHOM BELLというフィリーど真ん中の甘茶ソウル。Billboardのチャートでは71年にポップシングルで最高51位、ブラックシングルで最高10位を記録したそうで、これが彼らのデビューヒットとのこと。この曲以外にも「IT'S FOREVER」、「DETERMINATION」といった絶品甘茶を擁する彼らは名実共に甘茶ソウルの代表的グループと言えるでしょう。

曲はフィリーのゴージャスなサウンドと共に煌びやかなパパパ・コーラスで幕を開ける華麗な甘茶ソウル。更に天まで登れ!とばかりに昇天しちゃうファルセットの雄たけびに荒々しく切れ込むバリトンの絶唱。このイントロの20秒ほどには70年代ソウルの醍醐味が目一杯詰め込まれていて個人的には超美味としか言い様が無いんだけど、よくもまあこんな展開を考えられたものです。全体として非常にテンションの高い、大味で密度の高い甘茶となっています。

「YOU TUBE」で聴けます。

EDDIE KENDRICKS / PLEASE DON'T GO AWAY '74 「FOR YOU」



元テンプテーションズのリード、エディ・ケンドリックスの1974年のソロアルバム第5弾「FOR YOU」収録曲。エディ・ケンドリックスは甘茶ソウル百科事典ではほぼ未掲載に近く、ソロ歌手ということもあり個人的には聞き逃してしまっていたアーチストなんですが、きちっと聴けばマニアも唸らせる特選甘茶もありますね。元テンプテーションズだし、最大手のモータウンから出ているアルバムの収録曲だしと考えると無難なメジャー志向の曲ばかりかと決めつけてかかりたくなりますが、そこは甘茶ソウル大豊作の74年産ということもあってか、ファルセット主体のハードな王道スウィートがありました。立ち上がりは遅くいまいちキャッチーさに欠けますが、中盤になってようやく登場する抑制が効きながらも美しいメロディのサビはジワジワと心に染み入ります。中盤以降はそのサビがずっと続くのですが、コーラス的に歌われるサビメロをバックにエディケンの我を忘れたかの如く激しいファルセットが延々悶えまくります。恍惚とし忘我の境地に達したその緊迫感と過剰なまでのファルセットぶりは非常に美味ですね。

「YOU TUBE」で聴けます。

FIRST CLASS / COMING BACK TO YOU (ALL PLATINUM 2372)'77

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スウィートソウルの中心地ニュージャージのソウルグループのヒット曲。プロデューサーにもGEORGE KERRとSYLVIA ROBINSONという巨匠が名を連ねており、まさしくスウィートソウルを代表する曲と言えます。こってりと濃密で甘く優しい唱法に、キャッチーで大甘なメロディを持つ泣き節曲。アナログな電話のベルが鳴り、女性へ語りかけていくという設定の凝った作りの曲。途中に電話オペレーターの声が入ったりと、こうした擬音が入るというのも甘茶ソウルの特徴の一つで、甘いムードや臨場感を出すのに一役買っています。アルバム「FIRST CLASS (SUGAR HILL 255)'80」収録のアルバムバージョンでは出だしにコイン投入、ダイヤル回しなどの擬音も入り、よりムードが出ています。

「YOU TUBE」で聴けます。

HEAVEN AND EARTH / IF IT WAS ME LP(G.E.C 1001)'76



シカゴのコーラスグループ、ヘヴン&アースの76年の1STアルバム「I Can’t Seem To Forget You」収録曲。グループについてはU.S.BDG、甘茶ソウル百科事典ともに取り上げているんだけど、この曲についてはノーコメントというのがけしからん限りですが、「YOU TUBE」にも音源アップされていないというのだから驚きです。どうも私の甘茶感覚と世間のそれとでは相当な開きがあるのでは?と懐疑的になってしまいますが、どんなもんなんでしょうかねえ。

グループ名は地上と天国とでも訳すのでしょうか。そんな大仰な名前のこのグループに合った甘茶大作。ファルセット・リードの如何にも70年代スウィートの典型といった感じの曲ですね。滑らかで甘みのあるAメロや劇的に転調するBメロともに魅力的。そして最大の聴き所はパパパ・コーラス部分。キラキラと輝く夜空の星座や、大都市や摩天楼の夜景、希望に満ちた明るい未来感、天への昇天なんかを感じさせてくれてイイのです。ソウル・ミュージックにおける「パパパ・コーラス」の最も魅力的な使用例と言えるんじゃないかな。21世紀も10年以上経過した今の時代となっては、こういう夢見心地のパパパ・コーラスを聴かせてくれるような甘茶グループは二度と出現しないのでしょうねえ。

JIMMY BRISCOE & LITTLE BEAVERS / MY EBONY PRINCESS LP(PI KAPPA PK-600)'75

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U.S.BDG #321、甘茶ソウル百科事典MOONY'S SELLECT 010選出の甘茶ソウル名盤アルバムのタイトル曲。プロデュースはポール・カイザーで彼の手腕がいかんなく発揮された見事な作品。暗く物悲しい曲調だけど甘く劇的に盛り上げるサウンドアレンジが素晴らしいですね。特にグロッケンの控えめな響きが曲の悲しさを増幅させてる感じでいい。リードもそれを盛り上げるコーラスも良い意味で幼さを感じさせ、青い果実的魅力に溢れています。サビ含めて全体のメロディも素晴らしいんだけど、途中に語りを入れたりと小技も効いています。このタイトル曲以外にもアルバムには「FOREVER」,「I ONLY FEEL THIS WAY」といった名曲が収録されていてお勧めです。

「YOU TUBE」で聴けます。

JIMMY HELMS / GONNA MAKE YOU AN OFFER YOU CAN'T REFUSE (CUBE 27)'73

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73年にイギリスのチャートで8位とヒットした甘茶ソウル。個人的にはマニアックな甘茶だと思っていたので意外な記録です。いきなり始まる孤高のファルセットの陶酔ぶりがイイ。言われてみれば結構ポピュラーっぽいバリトン・パートもなかなかきれいなメロディ展開ですネ。途中語りが入ったり、ストリングスの調べが甘かったりと70年代甘茶ソウルの美味しい部分をしっかりと押さえている名曲です。「YOU TUBE」で聴けます。更に後年になってからと思われる唄う動画もアップされてますが、個人的にはイメージダウンしてしまう内容でした。そちらは見ないほうが賢明でしょう。

NATURAL FOUR / GIVE A LITTLE LOVE (CHESS 2119)'71

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シカゴ/CURTOM時代の曲がフリーソウルものとして人気のグループのそれ以前にCHESSに残したシングル・オンリー曲。リードがこってり、ねっちょりと歌う大仰なバラードタイプの曲だけど優雅で甘美なストリングスも絡み甘茶な内容です。最大の聴き所は最後の最後に満を持して入るタイトル「GIVE A LITTLE LOVE」のコーラス部分。この最後のわずかな盛り上がりが実に素晴らしい。器の大きな包容力というか全てを許す許容力というか、温かみの有る深い安堵感を感じさせてくれる至極のフレーズです。このように最後の最後で盛り上がるパターンの名曲としてはROZETTA JOHNSON / HOLDING THE LOSING HANDSが有りますが、このナチュラルフォーの方は、あっという間に終わってしまいます。せめてROZETTA JOHNSONのように30秒ぐらい続けて欲しかった所ですね。これはタリバンによるバーミヤンの大仏破壊級の世界的文化遺産の損失と言えましょう。録音自体はもっと長いものだったのでしょうから、何とか発掘し長いバージョンを世に出して欲しいものです。

「YOU TUBE」で聴けます。

Natural Resource / Hey Foxy Lady (DORE 909)

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天然資源という名のグループの華やかでメリハリのある甘茶ソウル。「Foxy Lady」ってのは「きつねっ娘」っていう意味ではなくて、「SEXY LADY」という意味みたいですね。ただFoxyには「狡猾な」という意味もあるから、ずる賢くてセクシーな、例えて言うならルパン三世における峰不二子みたいなもんかな。そんなちょっと悪女風な女性に想いを馳せる曲って感じでしょうか。

乾燥感のある明るくポップなコーラス。ファルセット/ハイテナーの高音域を自由に行き来するリード。なだらかで優雅な甘みのある弦の調べ。それらが小気味良いリズムに乗せて、階層的に重なり合う様が素晴らしいですね。途中に入る甘い語りもピリリと効いてます。「YOU TUBE」で聴けます。(AMJというグループ名義で全く同じ内容のものが出ているとの情報を頂きました。)

ONE WAY / WHO'S FOOLING WHO LP(MCA 5729)'82
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AL HUDSON & THE SOUL PARTNERSの改名後のバンド、ワンウェイのアルバム(U.S.BDG #518)タイトル曲。「AL HUDSON & THE SOUL PARTNERS / MY NUMBER ONE NEED (ATCO 7011)'75」とどこか共通項を感じさせるミディアム甘茶ソウル。アル・ハドソンのしゃがれた味のある声と肯定感に満ちた、ひた向きな唱法に好感が持てます。お涙頂戴的に切なく迫るコーラスは反則ギリギリの荒技で、どちらかと言えば情感的には淡白に歌っているリードにも物悲しい雰囲気を分け与えている感じです。ウォーキング・テンポでド・ド・ド・ドと調子を付けるベースラインも特徴的で、べっちょりと甘く悲しいだけに終わりがちな曲にメリハリをつけていてイイ感じ。踊れる曲ばかりかかっているクラブでこんな曲がかかったら新鮮で面白いかもね。

SWEET BERRY FEATURING L.C.JACKSON / DON'T LET GO (RETTA'S 001)'77

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この曲はGOLMINEからの歴史的名コンピ「THE ESSENTIAL SWEET SOUL COLLECTION」にも収録されていました。ミシシッピ州のレーベルでサウンドは南部のオーソドックスなディープ・バラードを思わせるもの。リード・ヴォーカルも基本的に非ファルセットなのでトロトロの甘さという訳ではない。然しながら優しくオブラートに包み込む「ウゥーウゥー」や切なく「DON'T LET GO」と繰り返すファルセット・コーラスが秀逸で曲に適度な甘さを添えています。ダイナミックに盛り上がるサビのメロディ、泣きの入ったリードの唱法もいいね。後半には我を忘れたのかのようにファルセットも交えて大いに盛り上がります。ちょっと大人向けのセミ・スウィートって感じでしょうか。いかした名前のグループ名もゲスト参加のL.C.JACKSONも共にこの1枚だけしか残せなかったようで儚いですねえ。

「YOU TUBE」で聴けます。

ザ・キングトーンズ&マリエ / TOUCH ME LIGHTLY LP(東芝EMI ETP-80042)'78



「グッド・ナイト・ ベイビー」のヒットで知られる60年代から活躍している日本のヴォーカルグループの78年のアルバム「RESURRECT」収録曲。山下達郎制作曲として知られ、山下達郎自身やNick De Caroによるカバーもあります。実を言うと長らくこの曲を歌っているのがあのキングトーンズではなく別のアメリカの黒人コーラスグループだと思っていました。つまりそれ程本場のスウィートソウルと判別不能なぐらいグレイドの高い素晴らしい出来の曲だと思うのです。イントロのエコー感のある太いベースに軽やかで透明感のある女性コーラスで一気に奥行きの有る大人の甘い空間を演出し、続いて高音域の伸びやかで甘く味わいの有るヴォーカルが続きます。山下達郎の作るメロディラインも美しいうえに胸をキュンとさせるものがありますね。達郎のセルフカバーと聞き比べてみてもアレンジ、ヴォーカルとも断然キングトーンズ版の方に魅力を感じます。日本産スウィートソウルの最高峰に位置づけられる素晴らしい作品だと思いますね。


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